「対話型授業」ができあがるまで〜自分では「アクティブラーニング」とは思っていなかった〜

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こんにちは。小田島です

この授業法「対話型アクティブラーニング」は、岩手大学の中村先生が名付け親として付けてくださったものですが、授業のスタイルについては、「師匠」の授業そのものなんです。それを紹介しておきたいと思います

13年前、「2006年度」の師匠との出会い、そして、毎時間の授業参観

13年前、2005年度、僕は盛岡四高で3年生の担任をしていました

普通に授業をしていたら、スッと一人の大人が教室後方から入ってきました

この方が、僕の教員人生を大きく変えることになる「授業の師匠」こと、工藤良裕先生です

工藤先生は、昨年度(2017年度)から、岩手県立大学の特命課長としてご活躍なさっていますので、高校の教員としては定年退職されているんですが、その工藤先生が現役バリバリの時から、いわゆる「対話型授業」を生徒に叩き込んで、ガンガン成果を上げていた、と言うことになります。そのやり方、考え方、作り方を学ばせていただきました

当時、四高の副校長であった工藤先生は、時間を作って僕の授業を参観し、その後、当時はまだあった「喫煙室」で、タバコを吸いながら、授業反省会を毎時間やっていただきました

授業はどういう風に進めるべきか、授業とはどうあるべきか、課題はどうあるべきか、もう、授業を持つことは無い「副校長」の立場になっていた工藤先生から、僕は「工藤式授業」を叩き込まれました

それはとても新鮮で、楽しい毎日でした

「ダメだ」と怒られるときももちろんたくさんありましたが、工藤先生は「なぜ今日の授業はダメなのか」「どうすれば良かったのか」「工藤先生なら、こうする」という「改善案」を必ず提示してくださいました

これを積み重ね、1年が経ち、その後、工藤先生は転勤されるわけですが、僕の頭と心の中には「工藤数学」が強く刻まれた、ということは言うまでもありません

「考えさせる」こと、「ライブ感」ことこそが授業

工藤先生が言っていたのは「公式をただ暗記させる授業なんて面白くもなんともない」ということ

それを作る過程や、敢えて公式を使わない解法の紹介など、「一見遠回り」と思えるようなことこそが「授業の本質」だと教えてくださいました

 

一番大事なのは「なぜそうなるのか」であって、「どう使うか」ではない

 

というのも、工藤先生の言葉です

「いかに、生徒に考えさせるか」、これを常に考えろ、といわれ続けました

工藤先生自体の授業スタイルは、一通りの解法を説明した後に、生徒を指名して起立させ「なぜこうなる?」「なぜだ?」「どうしてこうなるんだ?」と詰め寄る恐ろしい授業法でした(笑)

答えられないと、次は周りの生徒が当てられ、また詰め寄られます

この「考えさせること」と「授業でしか出せないライブ感」を大切にするようにいわれ、それを毎日考えながら1年間授業を続けました

当時はまだ「簡潔に説明して、たくさん演習させる」いわゆる「質より量」の授業で結果を出すことが正義、というような流れもあり、僕もそう言うことを取り入れたこともあるんですが、工藤先生は全く違いました

 

「週末課題は、B4表裏、一枚だけで十分」

 

これが工藤先生が僕にずっと言い続けてきた「課題の考え方」です

「やらせる」のではなく、「言われなくても取り組みたくなる」授業をしろ、ということでした

課題を増やしても、ただ写したのでは意味がありません

いかに「前向きに取り組ませるか」、あれから13年経ち、僕もだいぶこの授業にも慣れ、たくさんの「仲間」もできました

生徒に、「工藤式授業」をすればするほど、生徒は前を向き、「なぜそうなるのか」を考えるようになり、そういう質問が増え、結果として、数学が好きになる生徒が増える、ということも実感しました

今でこそ、「対話型アクティブラーニング」という名前も付けていただき、研究対象として扱っていただいていますが、裏には、師匠の存在があり、僕はスゴくもなんともないのです。

副校長時代に、自分の業務を片付けて僕の授業を見に来てくれ、そして、優しく、時には厳しく反省会をやってくださった工藤先生のおかげで、今の自分がある事は、僕が一番よくわかっています

「生徒に数学の素晴らしさをわかって欲しい」「数学を、「考える」ことを「楽しい」と思って欲しい」、これは数学の先生全員が思っていることだと思います

自分が数学が好きで、一生の仕事にしようと思って、数学科の教員、という道を選んだわけですから、その楽しさを伝えたいのは当たり前のこと

しかし、自分が昔そうだったような「数学が好き」という感覚は、お世辞にもたくさんの生徒が持つ感情とは言えないでしょう

ですから、教員が授業を工夫し、生徒が「楽しい」と思えるような50分を構築していく、僕が教わった工藤授業の実践が、「これから頑張りたい」という若い先生のお役に少しでも立てるのであれば、と思い、岩手大学の先生方と研究を進め、そして、発問塾、公開授業、出前授業を行っている、というわけです。いわゆる「恩返し」のつもりで僕は今の活動をしています。

育てていただいた「恩」を一生僕は忘れません

自分が誰かの役に立てれば、生徒の「数学つまらない」を覆すような授業が出来れば、そう思って毎日仕事しています

これから、この「対話型アクティブラーニング」を進める上でのコツを記事にしていきたいと思っていますが、現在は、当然ながら、生徒も違えば、トレンドも違います

よって、「工藤授業」を元に「小田島テイスト」を加えた、「コラボレーション的なアプローチ」として、「対話型アクティブラーニング」を捉えていただければと思います

今でも、県立大学の説明会に生徒を連れて行くと、「新ちゃーん」と声をかけてくれる工藤先生

二言目には「授業ちゃんとやってるか?」と言われるので、僕は「先生のおかげで、色々やれてます。各所で先生の名前をバンバン出してますよ!」と言っています

 

教師の仕事は「授業」です

 

授業力向上のために、僕にはまだまだ出来ることがあるはず。自分の授業も、もっともっと向上させたいし、全国にはもっともっとスゴい先生がたくさんいる、それを現勤務校である大船渡高校でも知ることが出来ました

工藤授業をもっと広めて、もっと仲間を作りたい、と思っているので、ぜひ、大船渡高校まで授業を見に遊びに来てください!(数年前は授業DVDを全国発送していたんですが、200枚が完売(着払い送料だけでお送りしていました)したのと、今の授業スタイルはまた変わり、年々変化、進化していくので、一旦DVDは中断しております)

紫波総合高校で、20代の若手に言われた一言

四高の後、僕は紫波総合高校に転勤となります

紫波総合高校は「数学が苦手な生徒」が四高より人数が多い高校で、四高と同じような授業は出来ないだろう、と思っていましたが、それは違いました

 

結論を先に言うと「数学がわかりたくない生徒」がいない、ということがわかりました

 

生徒はみんな、数学をわかりたい、でも、何らかの理由で中学で躓いてしまった。それに気付かされました

だから、四高と同じ「考えさせる授業」をやってみたところ、食いつきが結構良く「いける」と思い、嬉しくなりました。「数学」というだけで拒否されるのではないか、と言う恐怖もあったので、思った以上に自分の考えを積極的に発表する生徒が多くてビックリしました

しかし、ここで問題も出てきました

紫波総合高校の生徒の多くが「発言経験」が極端に少なく、人前で意見を言うことに慣れていない、恥ずかしい、自信が持てない、みたいな状況が出てきたのです

そこで生まれた僕の考えが「誤答は宝」というものでした(コレも別記事で書きます)

これにより、生徒の発言が増え、さらに、「発言の練習」として取り入れた「スーパーマリオ」も好評でした(コレも別記事で書きます)

発言経験の少ない生徒でも、スーパーマリオで自分の考えをバンバン言えるようになり、教員が「間違っても良いんだよ」と言うことをしつこく言い続けることで、生徒は自分の意見を少しずつですが言えるようになってくることもわかりました

この時、公開授業の話しがチラホラ出てきて、その時、たまたま見に来た若い先生(20代)に、授業の後、こういわれました

「小田島先生の授業、思いっきりアクティブラーニングそのものじゃないですか?」

え?

って思いました。当時の僕は「アクティブラーニング=机を合わせて話し合って発表」だと思っていたので、講義型で一斉授業スタイル、僕の「発問」に対し、生徒が考え、自由に発表するスタイルは「工藤式」ではあるけど、これがアクティブラーニング?って思っていたんです

その若手は続けました

生徒の頭がアクティブになる授業がアクティブラーニングなんですよ。机を合わせたからと言って、それが全てアクティブラーニングというわけではないんです」

そうなのか!

20代に教えられました。

当時は「半アクティブラーニング」なんて言ってましたが、後に岩手大学の先生にも「アクティブラーニング」と言っていただいたので、「机を合わせ無くても良いのか」ってのが僕にとっては新鮮でした

逆に言うと、それくらい、「アクティブラーニング」というものに僕自身が全く興味もなければ、調べもしていなかった、と言うことです(反省)

こうして、少しずつ周りの先生方の力を借りながら、自分自身がステップアップしていくのを感じ、気付けば今、こうしてブログを書いている状況です

今は少しずつ勉強もして、アクティブラーニングとはどういうものなのか、もっと効果的に授業を進めるにはどうすれば良いのか、色々調べながら日々実践しているところです(日々の実践、日記はFacebookからどうぞ!)

生徒と「対話」し、生徒の頭を「思考の渦」に巻き込む発問を連発する「対話型アクティブラーニング」、この授業を僕自身が楽しみ、生徒の想定外の発言に驚き、またそこから話しを広げる、的なところがとっても面白いです

今年度の外部公開授業でも、生徒のちょっとした発言で大きく寄り道しましたが、おかげで生徒はたくさんのことを考える事が出来ました

僕の公開授業に「指導案がない」のは、生徒の発言によって、道筋が変わるからです。クラスによっても、とあるテーマで10分で終わるクラスもあれば、20分以上盛り上がって発言が止まらなくなるクラスもあります

この「自由」で「生徒が主体」な感じも楽しいんですけど、「発問」によって、授業をコントロールできるので、教員にとっても楽しく濃い50分となります

対話型アクティブラーニング出僕が気を付けていることは、着々と記事にしていきますので、ご覧いただければと思います

そして、もし、この授業が「面白そう」「見てみたい!」と思った方はぜひお問い合わせください。夏に開催している発問塾への参加も大歓迎ですので、よろしくお願いします

では、また次の記事で!