アクティブラーニングを行うには、「50分説明しきる授業力」が必要不可欠、という話

アクティブラーニングを行うには、「50分説明しきる授業力」が必要不可欠、という話

こんにちは。小田島です。

おかげさまで、多くの先生方の「対話型アクティブラーニング」の実践をFacebook、Messengerで報告いただけるようになってきました。ありがとうございます。

その中で多い質問として、「最初の15〜20分で何を話せば良いのか。ポイントは何か」というモノです。今回はそれについて述べてみたいと思います。

ポイントは自分の経験の中にある

僕は今44歳。教員になって20年目が終わろうとしています。

そんな僕は、圧倒的「詰め込み学習」を高校時代に受けてきて、自分自身も「いかにわかりやすく説明するか」を、今まで追い続けてきました。

昨年度(平成30年度)、大船渡高校に赴任しましたが、まさにこのときの授業がコレで、今思えば「今までの教員人生のエッセンスをすべて注ぎ込んで、最高に「わかりやすい説明」を生徒に発信していた」感じです。そう。「説明」してました。

多くの先生が、つい最近まで「どうすればわかりやすいのか」に重点を置いた「説明重視」の授業を展開されていると思います。特に、公立高校の場合はそうなってしまうのはある程度仕方の無い部分もあるかと思います。

全国の教員が集まるような研修会で、お話を聞いてみると、「自分の授業は説明ばかりで、アクティブラーニングとはほど遠い」と嘆く先生が多いように感じます。危機感を感じていらっしゃるので、そういう研修会に自腹を切って参加されていると思うのですが、皆さん「説明が悪」だと感じているなぁと強く思います。

でも、僕が思うのは、「対話型アクティブラーニングで現在行っている15〜20分の説明は、50分授業をギュッと凝縮したモノ」ということです

いつもであれば、40分程度かけて行っていた説明を簡素化し、生徒の人数、レベル、理解習熟度に応じて、ポイントを自分で抽出して15〜20分にしているだけなんです。

ですから、今まで多くの時間を説明に割いてきた先生ほど、アクティブラーニングというのはしやすいのでは無いか、と考えています。それを凝縮すれば良いだけですので。

「自分は○○歳だから、アクティブラーニングなんて無理だよ」とおっしゃる先生もいらっしゃいますが、いやいや、経験があればあるほど、その15〜20分は「濃い」モノになると思っています。年を重ねた方ほど、逆に厚みのあるアクティブラーニング授業ができるんじゃ無いか、と僕は信じていますし、自分の授業を振り返っても、今までの「説明重視」の授業があるからこそ、今の対話型アクティブラーニングがあるんだな、と実感しています。

前半は「経験と個性」、後半は「システム」

現在行っている対話型アクティブラーニングは、生徒対生徒の対話重視のアクティブラーニングですが、前半部分は、必ず問題の「説明、解説」が必要になります。それすらも自分たちでやらせられる学校もあるかもしれませんが、多くの高校では、「説明」が必要ですよね。

今の若い先生方は、アクティブラーニング型の授業をギリギリ受けているかどうかの時代を生きてきていると思います。そういう先生方は、教員になって、アクティブラーニングを求められて、「説明を15〜20分でやれ」と言われても、そもそも受けた授業がアクティブラーニング型であれば、説明はほとんど無く、いきなり作業、対話、という感じでしょうから、なかなか難しいのでは無いかと思います。

さらに、「説明する」経験が圧倒的に足りないので、「気持ちはあるんだけど、うまく説明できない」という話をよく聞きます。

僕に言わせると、後半部分の「アクティブタイム」については、「システム」だと思っているので、誰でも簡単に真似ができます。そこはシェアすべきだと思っていますので、後で記事に書きたいと思いますが、逆を言うと、「前半の説明で失敗しても、生徒がある程度優秀であれば、後半のシステムで挽回できてしまう」のです。

ですから、システム頼りの授業をしてしまうと、いつまで経っても「説明力」が伸びません。今、多くの質問を全国の先生方から頂戴しますが、「システム」に関する質問が多すぎるような気がしています。授業の根底にあるのは、「圧倒的な説明力」だと思っていますので、そこを磨きながら、システムを色々改良していくのが良いのでは無いかと考えます。

ですから、前半の「一見誰も聞いてないような「説明」の時間」を見れば、その先生の本当の力がわかるはずです。説明を聞くのは、「自分で問題に立ち向かえない、数学が苦手な生徒」と考えれば、その生徒を納得させられる、もっと言うと、「苦手な生徒が、前を向いて一生懸命聞いているような説明力」が、我々には必要なのでは無いでしょうか。

「この先生の説明を聞けば、なんとかわかるかも」と思わせるような説明。それをもっともっと磨いていって、その集大成として、「15〜20分の短く、的確な説明」が初めてできると思います。

ですから、いわゆる「模擬授業」みたいなモノを、僕はとても重要視しています。何かあれば、「出だしの5分をやってみて下さい」といって、その場で模擬授業をやってもらい、その先生が考える「ポイント」はなんなのか、を探ることが多いです。

予備校の授業は、宝の宝庫

今年度、一気に仲良くなった河合塾の小倉先生の授業を2月に拝見しました。「ザ・予備校」という授業をする、ということだったので、楽しみにしていたんですが、「受講者を引き込むトーン」「凝縮されたポイント」「飽きさせない展開」「絶妙な間の取り方」、すべてが学びになりました。

学校であれば、ウチを例に取ると、2年生の数学は理系が週7時間、文系でも、週6時間授業があります。しかし、この間、代ゼミの大山壇先生、小倉先生、他の先生方と仙台で会食したときに聞いたんですが、「予備校は、4月から夏休みまでに11回しか講義が無い」という衝撃の事実を初めて知りました。

多分、1回90分だと思いますが、たった11回で、生徒に力を付けなければいけない。そりゃ、説明がうまく、凝縮されているはずだ、と思いました。

僕たち、公立高校の教員は、もっと「説明力」を高めるために、もっと予備校の先生の授業を見るべきだ、そして、盗むべきだ、と思いました。その中で、生徒の「わかったかも」が増え、そのマインドが自走につながるはずです。

繰り返しますが、「説明は悪」ではありません。研ぎ澄まされた濃厚な説明は、教室を一瞬で自分のworldに引きずり込むかのような魔力を持つと思っています。

その「説明」こそ、シェアされるべきでは無いか、と思います

だから、僕は、多くの先生とお話をするために、お酒飲めませんが、「飲み会」に参加すべく、岩手から出かけていって、「学び」を求めて全国を回っているワケなんです。どこに新しい「学び」が隠れているかわかりませんから。

一見「感覚」で行われているような説明、解説も、よくよく話を聞くと、必ず「根拠」があるモノです。その「なぜ、その場面で、そういう説明を、そのタイミングでするのか」を語り合う場をもっと作っていきたい、そう思っています

僕も、まだまだ自分は浅いと思っていますし、だからこそ、まだまだ自分は進化できると思っています。これからどんな新しい出会いの中で、新しい学びがあるのか、自分がどう進化できるのか、ワクワクしかありません

Zoomとかでも、「説明を語り合う会」みたいなのを開きたい

Zoomは、コロナ休校の間に3回ほど、ホームルームで使ってみましたが、なかなか面白いな、と感じています。これを対生徒に使うだけでは無く、全国の先生方とつながって、「ここの分野の説明、どうする?」みたいな、若い先生が気軽に質問できるような、そんな「Zoom会」を開いてみたいモノです。

ポイントは「若い先生が気軽に質問できる」という点です

もし良ければ、Facebookのコメントでも、Messengerでも良いので、声かけて下さい。1人で悩まずに、コミュニティを作って、みんなでワイワイとやりませんか?

僕の説明の仕方が正解、というわけでは無いところも面白いところで、人によって、勤務する学校によって正解は様々、多様です。だからこそ、シェアして、いろんな切り口でいろんな意見を聞いて、より良い自分を構築していく、そんな会があっても良いんじゃないかな、と、記事を書いててふと思いました。

後半の「システム」は簡単にシェアできます

前半の「説明」を「深めていく」ことこそ、我々数学科教員がすべきことでは無いでしょうか

自分にできることを考えながら、より良い授業のために、今後も何かできれば、と考えています。皆さんのご指導よろしくお願いします

では、また次の記事でお会いしましょう!