「教師対生徒」の対話から「生徒対生徒」の対話へ〜ミツバチ演習〜
- 2020.02.20
- 対話型アクティブラーニング

こんにちは。小田島です。
岩手県立大船渡高校に赴任して2年目が終わろうとしています。特に、この「2年目」で起きた僕自身の変化、授業の変化をまとめておきたいと思います
「教師対生徒」一斉講義型の対話型アクティブラーニングを変えた
一番大きいのは、これです
今まで僕が、岩手大学と共同研究してきた「対話型アクティブラーニング」というのは、「教師の発問を工夫することにより、生徒の頭をアクティブにし、自由な発言を促す」というものでした。前任校から始めたこの取り組みは、生徒からも好評で、大船渡高校に赴任しても「悪くは無いかな」という感じで進められていました。
ただ、「悪く無いけど、本当にこれで良いのか?」という問いはいつも自分の中にありました
きっかけは、他教科の授業でした
大船渡高校は、若い先生が多く、いろいろな授業に前向きにチャレンジする先生が非常に多いと感じています。そういう先生たちの授業を見に行くと、決まって生徒は「楽しそうに」「目を輝かせながら」「対話」しているのです
それを見て、僕はハッとしました
「教員が発問を工夫して、生徒の頭をアクティブにするのは悪く無いけど、生徒同士で対話させれば、もっとアクティブに、もっと活動的に、もっと主体的に学べるんじゃ無いか?」と思ったんです
僕は44歳(2019年で)ですが、授業を変えることに抵抗はそれほど無いので(より良いものがあれば、どんどん取り入れたいと思っている)、2019年度の今年度、授業の大改革をしました
グループワークを取り入れた
まず改革したことは、グループワーク
探究として行っている「大船渡学」で用いられている「座席フリー」「グループフリー」を2019年3月の演習の時期に取り入れ、やってみました
生徒は大船渡学で慣れているので、思った以上にスムーズに行き、演習でも自然と教え合いが生まれ、教員が何もしなくても「生徒同士で学び合う」ような感じで授業を進めることができるようになってきました
ミツバチ演習と名付ける
僕はこの「フリー座席、フリーグループ」の演習を「ミツバチ演習」と名付け、「女王蜂役の教える係の生徒を最低一人作って、その周りに、聞ける体制を取るようにグループを作ってね」と指示を出し、グループが、女王蜂を中心とした蜜蜂の巣のように機能する演習として1ヶ月やってみました
演習期間だったので、ほとんど教えることなく、自分たちで解決させ、わからないときは、上位の生徒たちで話し合い、それを、各グループに伝達する、そう言ったシステムを作って、「ほったらかしにする」ことをしてみました
このミツバチ演習の中で、生徒たちは、黙々と問題を解いているかと思いきや、「なんでこれはこうなるんだ?」「答えは当たるけど、それがなぜなのか知りたい」と言った「問い」が次々に生まれてくることを僕自身が実感しました。「問い」は、議論につながり、あちらこちらで、ワイワイガヤガヤと自由に議論が進み、時にはグループが合体し、時には立ち話になり、形を変えながら、生徒の「学び」が進んでいく姿を、僕はニコニコしながら見ている、そんな状況でした
このときはまだよくわかっていませんでしたが、今、1年前を振り返ると、この仕掛けが生徒の「マインド」を変えていったのだ、ということがジワッと理解できるような気がします
2年生に上がり、このミツバチ演習は、毎週のようにブラッシュアップされ、形を変えて行きます。が、それは、また別の記事で紹介することにしましょう。とりあえず、今日はここまで
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