生徒の「ん?」を作り出す発問で気を付けていること

こんにちは。小田島です。

対話型アクティブラーニングで重要な3つの力のウチ最も重要な「発問力」において、僕自身が気を付けていることを書きたいと思います

「Yes」「No」ではなく、一見答えにくい感じで、敢えて遠回りに聞く

多くの先生は、「発問」というと「すぐに答が出る」「せーの、で答を言わせる」的なモノを思い浮かべると思いますが、僕の授業で、僕が発問した瞬間、ほとんどの生徒は、「え?」「ん?」ってなります。と言うか、なるような発問を出すようにしています

数学として考えると、「公式を答えてみよう」「この次の式はどうなるかな?」とか言うのが、「僕がほとんど用いない発問」です(たまには使うけど、本当に、たまにしか使わない)

んじゃ、どういう発問を具体的にしているか、2017年度に北海道白樺学園高校に招待され、そこで初めて出会った2年生の生徒に、北海道の先生方の前で行った公開授業で最初に生徒にした発問がこちらです

-3の正体を知ってるかい?

これが、白樺学園の生徒にぶつけた「最初の発問」です

生徒は、当然、見てる先生方も「え?」「は?」ってなります。あの、「え?」って顔が最高に楽しいんですよね(笑)

対話型アクティブラーニングというのは、「発問で生徒の頭をアクティブにし、「思考の渦」に巻き込む」のが目的なので、今回のこの発問、普通にやってしまっては「つまらない」と僕は感じているんです

つまり、こういう発問というのは、「何を聞かれているか」に加え「どう答えるべきなのか」「発問の真意は何か」といった、「知ってますか」「はい、知ってます」的なやり取りではなく、「先生の発問に対し、自分で考え、自分なりの答を、自分から発表する」ことにつながると僕自身は感じています

考えさせることが目的であって、内容は何でも良い。「どう聞くか」がポイント

この発問については、授業後の授業研究会で、北海道の先生から「あの発問(-3の正体を知っているか)には何か意味はあるのか?」と聞かれました

「意味?」と思いましたが、ポイントはあの発問から、生徒が何を考え、どう感じ、どうまとめ、どう発表するか、その「過程」にあると感じています。間違っても良いんです。「誤答は宝」だから。間違ってもいい。思うことをドンドン発表すればいい

だから、別に「-3」じゃ無くても良いんです。「-8」でも良いしルートが入っても、分数でもいい。何でも良い

敢えて「正体を知ってるかい」と聞くことで、生徒の頭をアクティブにしていく、「何を聞かれているのか、推理させる」、これがポイントなので、発問自体に「意味」は無いのかもしれません

これを、「-3は2つの数に分解できます。それは何と何でしょう」と言ったら、面白くもなく、アクティブにもならず、ペアワークも出来ない発問になると感じています。「2つの数になる」という表現を「正体は何か」と変えることで、「なんだなんだ?」と言う空間ができあがる、と言うわけです

普段の発問を、ちょっと「違った良い方」「違った角度」でするだけで、あっという間に、「考えさせる発問」に早変わりします。そして、この発問というのは、2018年度に出前授業で訪問した大船渡市立越喜来中学校でも成功しました

中学生相手に出前授業するのは初でしたが、見事に生徒は「え?」となり、一生懸命考え、「この先生は何を聞いているんだろう?正体ってなんだ?」的な感じで、アクティブタイムが見事に形成された感じです

「誤答は宝」と最初にいうことで、生徒は間違いを臆せずに発言するようになります

そうなると、なかなか答が出ない状況を、生徒自身が楽しみ、ますます頭がアクティブになっていきます

「惜しい」と言われたら、「なぜ、あの生徒の発言は惜しいのか、正解はなんなのか」と考えるようになりますし、より、自分の発言について自分自身で見つめることが出来るようにもなります

ICTと組み合わせることで、発言が苦手な生徒にも対応

僕の授業では、生徒のスマートフォンを使って、教育アプリ「ロイロノート」を使わせて授業しています

このアプリを使うことにより、「自分の考えをノートに書いて、ノートをロイロで撮影して、カードを先生に送ってください」という形で、全員の「発言」を自分のiPadに収め、保存することが出来ます

ごく一部の、いわゆる「出来る生徒」がいきなり答を言ってしまって、次の発問につながらない、なんてことも防げるわけですし、何より、iPadをプロジェクタを通じてスクリーンに映すことによって、他の人の意見を見ることができるわけです。そこには、自分が考えもしなかった新しい切り口があるかもしれない。これこそまさに「他を知る」という意味で「アクティブ」であり、「他人の意見を元に、自分の発言について主体的に考える」ことなのではないか、と思っているところです

ロイロノートは現在、僕が使わせていただいている、と言う状態ですので、大船渡高校では全職員が使うことができますが、有料アプリとなりますので、ご注意ください。詳細については僕に聞いていただいても構いませんし、直接ロイロノートの澁谷さんに聞いていただくこともできます。ロイロノートについては、別記事でまとめたいと思いますので、そちらもご覧下さい

教科書の何気ない1行、生徒の板書解答、様々なところに「発言のヒント」は隠されている

僕は、事前に「今日はこれを質問するぞー」と決めているわけではありません

ある程度「今日はこれを教えたいな」という「ゴール」は設定しますが、途中に関しては流れに任せて授業をしています

なぜなら、生徒の発言1つで、こちら側の発問が大きく変わり、流れが常に変わり続けるからです

だから、自分のフィーリング「ん?これ、生徒わかってるか?」というのを大切にして、イマイチ微妙だよなぁ、と思うときは、聞き方に注意しながら発問しています

当然、クラスによっても雰囲気や学力差が違いますので、「こういうふうに発問すれば良い」という正解は無いんですが、「あまりストレートに聞かずに、敢えて、回りくどく聞く」ように僕は心がけています

そうすることで、生徒は良い意味で混乱し、「思考の渦」に巻き込まれる状態を作ることが出来る、と言うわけです

説明しすぎると、かえって生徒がわかりづらくなるような所もありますし、ペアワークしないで、サラッと流した方が良いところも当然あります。全部が全部「発問すれば良い」というわけではないのですが、メリハリを付けて、聞くときは徹底して生徒に考えさせる。時間をとって頭を使わせる、という形で今はやっているところです

去年と今年でもかなり授業は変わりましたし、今年度の4月と、現在の1月でも授業は変わっています。色んな要素を取り入れ、日々進化させているつもりです

しかし、大切なのは、「対話型」である事だと、僕自身は強く思っています

生徒と生徒の対話、グループでの対話、そして、生徒と教員の対話。これをいかに授業に盛り込むか、そして、熱中させられるか、そういう所を常に考えながら「しかけ」をしているところです

まだまだ僕自身、授業はもっと進化できると思っていますが、初心を忘れることなく、「なぜ、こうなるんだろう?」と言う純粋な疑問を生徒に持ってもらえるような、そんな「考えさせる数学」を授業展開できれば、と思っています

では、また別の記事でお会いしましょう!